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こばやし歯科医院 明美先生ブログ

小林明美が生まれ育った家庭のこと、その家庭を守り苦労した母の生き様を”我家の軌跡(奇跡)として随筆中。

母は箱入り娘【14】

月二回、親から帰省願が届くと土曜午後、洗濯物とか持って親元へ帰る事が出来る。
どうゆう訳か私はいつも両手いっぱい何を入れて帰ったか思い出せない。

時折、好物をいっぱい食べ、日曜日夕方、寄宿舎に帰る時は煮魚、玉子焼き等の好物を持ち帰る。
舎監の先生に見付かると没収されるので寄宿舎の玄関に入る時は中を窺い乍、走り、入室する。

寄宿舎の食事はひどいものだった。
朝食は、ごはんに味噌汁、漬物二切れに一品何かがつく。
これだけの品で朝食、昼食分となるから何か一品はお昼のおかずとしてお弁当に入れ、空いている処へお漬物を入れる。
朝食は残りのお味噌汁だけ。

始めの一杯は大急ぎで流し込み、二杯目をお椀に入れてやっと落ち着いてご飯を食べる。
のろのろしていると二杯目のお味噌汁は品切れになる為だ。
殆んど二杯目が貰えない事が多かった。

家から持ち帰った時だけあくせくしないでゆっくり食事が出来る。
今と違って冷蔵庫がないから、せいぜい二日間であとは腐ってしまう。

女学生時代は舎監長の椿先生(教頭先生で、糖尿病持ちのお爺ちゃん)とお裁縫の渡辺テイ先生には可愛がられた。

【つづく】

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