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こばやし歯科医院 明美先生ブログ

小林明美が生まれ育った家庭のこと、その家庭を守り苦労した母の生き様を”我家の軌跡(奇跡)として随筆中。

我が家の軌跡(奇跡)【40】

歯科大受験を決めた時、担任が反対した。どうせダメなんだから、内申書は3通しか出さないと言われた。

歯科大は鶴見女子大学歯学部一本。場慣らしで受け、浪人して国立を受けるつもりだった。何故、鶴見女子大学にしたかというと、共学では、女は男に頼って実習が疎かになる。女ばっかりでは自分で何でもやるだろうから。という父の考えからだった。

名取試験の為の仮題の踊りを二つお稽古して、鬘合わせもし、衣装は本来なら自分で用意しなければならないので、かなりのお金が掛かるのを、お師匠さんが用意して下さった。だから、浪人して名取を取るつもりでいた。

結果は、歯学部に受かり、病人の事を考えると、学費が掛かっても、一年でも早い方が良いと。名取試験は受けず、それきり日舞は止めてしまった。今思えば、ちょっと頑張って名取になっておけば良かった。

学校で、階段から降りて来る担任に、受かりましたと報告したら、信じられないと言って、階段を踏み外して滑るジェスチャーをした。

学年主任に報告をしに職員室に行くと、数人の先生方が居られた。歯学部に受かりました。と言ったら、神学部ですかと、神父の先生が嬉しそうにおっしゃった。いえいえ“歯”学部、歯医者です。

文系の高校では聞きなれない、恐らくは開校以来、始めての学部だったと思うので、神学と間違えるのは当然だ。

つづく

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