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こばやし歯科医院 明美先生ブログ

小林明美が生まれ育った家庭のこと、その家庭を守り苦労した母の生き様を”我家の軌跡(奇跡)として随筆中。

我が家の軌跡(奇跡)【13】

今までは母、和子の手記を元に書きました。これからは物心がついた明美の追憶記です。

明美は引っ越してから家の近くの幼稚園に行っていた。
福岡弁丸出しで何を言っているのか周りの子には解らなかったらしい。
帰りにはいつも全員、脱脂粉乳の生ぬるいのをアルマイトの器一杯飲まされた。
牛乳が飲めない明美にとっては苦痛だった。


ある日幼稚園で急にお腹が痛くなり、便意をもよおしたが、長椅子の中ほどに座っていたのと、中々「先生お便所」って言えなくて、ついに出てしまった。
パンツの中に下痢便を。
モジモジした様子と、多分臭いで先生が気付いてくれ、家にそのまま帰された。
イスの上に一度立たなければ長椅子からでれないので、立ったらイスが濡れていて滑ってしまい、照れ笑いをしたのを覚えている。
家に帰ってもその時間は父がまだ入院中のため、母は妹をおんぶして病院に行っていたので誰もいない。
多分家に入れなかったんだと思う。
明美は大泣きをしながら、家から引き返し、幼稚園に続く道を歩いていた。
それを見ていた近所のおばさんが面倒を見てくださった。
確か我が家の2~3軒先のラーメン屋さんのおばさんだったような気がする。

つづく

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